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修身授業録 森信三、これ最高の人生指針書。

公開日: : 書評

数えたことはないが、私は年間で100冊以上は本を読んでいると思う。その中で読んで良かったと思う本もあれば、そうでもない本もある。

私は本を「精神的食物」と定義づけている。精神を養う本と精神を害する本とそれ以外だ。

食べ物でもトビキリ栄養があって愛がこもっていて美味しい食べ物もあれば、不味くて健康に良くない食べ物があるように本も同様である。

血肉となり人生の指針となる本もあれば、そうでもない本がある。毒にも薬にもならない本もある。そして最近読んでいる森信三さんの「修身授業録」という本は最高の精神的食物と言える。

年間で100冊以上読んでいて良い本と言える本に出会える確率は5冊以下だがその中でも最高の一冊だ。

この本は「修身」と名があることから天皇陛下万歳だとか全体主義に傾倒するような内容かというとそうではない。

森信三さんと生徒(将来学校の先生となる予定の)との授業内容をおさめた内容であるが、生き方に対して考えさせられる。

その内容を少し引用してみたいと思う。

諸君!! この人生は二度とないのです。いかに泣いても喚いても、その我々の肉体がひとたび崩壊したならば、二度とこれを繰り返すことはできないのです。したがってこの肉体の生きている間に、不滅な精神を確立した人だけが、この肉の体の朽ち去ったあとにも、その精神はなお永遠に生きて、多くの人々の心に火を点ずることができるでしょう。学年のはじめにあたって私は諸君らがまずこの根本の一点に向って、深く心を致されんことを切望してやまないしだいです。- 立志 P299

自分がこの世の中へ人間として生まれてきたことに対して、何ら感謝の念がないということは、つまり自らの生活に対する真剣さが薄らいで来た何よりの証拠とも言えましょう。というのも我々は、自分が自分に与えられている、この根本的な恩恵を当然と思っている間は、それをいかすことはできないからであります。- 人間と生まれて P21

読書はわれわれ人間にとっては心の養分ですから、1日読書を廃したら、それだけ真の自己はへたばるものと思わねばなりません。そこで諸君はさしあたってまず「1日読まざれば1日衰える」と覚悟されるがよいでしょう。- 読書 P65

このほかにも礼儀礼節についてだったり、謙虚についてだったり、将来についてだったり、人としてのあり方(Being)について考えさせられる。

私達は普通、やること(Doing)や持つこと(Having)については一生懸命考える。あれやりたい、これやりたい、アレほしい、これ欲しいといったふうに。

しかし、あり方(Being)についてはー人生をどう生きたいか、この一度限りの人生でどんな大志を抱き、どうありたいか、どう人生という旅路を締めくくりたいかなどーは滅多に考えないだろう。

あり方(Being)というのは現状がある程度に満たされていて、幸せだったらあまり考えないだろう。しかしこれが

  • 常に死が身近にある
  • 貧乏して苦労している
  • 病気で死にそう
  • 大きな失敗をして人生転落した

といった苦労や不幸を体験したときはじめて、Beingを思考するキッカケとなる。とくに昔の日本は貧しく死という恐怖が身近にあり人生のあり方について思考するキッカケが多かっただろう。

そういう環境があってからこそ、松下幸之助翁のような水道哲学が生まれたといえる。

もちろんその環境が必ずしも良いと言えるわけではなく、そのような苦労や不幸体験を呪って死んだ人のほうが大勢いるかもしれない。

そこで大事になるのは教育にあると思う。

つまり知識、手軽にできるのは本を読むことだ。苦労や不幸というのは人生について思うキッカケとはなるが、知識がなければ考えるキッカケにはならない。

「思考」という文字は思う漢字が先に来て、考えるという漢字が後に来る。苦労や不幸体験は思うキッカケを与えるが、その後に来る考えるための材料(知識)が必要である。

思いっぱなしで、建設的に考えられなければ、その苦労や不幸という体験は、幸せを活かす材料にならないのである。

だからこそ偉人伝などを読み「あぁ、昔の人は今より苦労してきたけどそれをバネにしたんだ。俺もできるぞ」とか「昔の偉人はこういう苦労をこのように乗り越えたんだ」というような追体験をする事が大事じゃないだろうか。

私はこの教育界の偉人の本を読み、先人たちの大和魂を引き継ぎ、少しでも国のため社会のために貢献し、お役に立てる人材になりたいと思った。

そしてこの本をキッカケに朧げながら1つの大志を抱くことができた。今後はそのために勉強し、身を粉にして働く事を決意した。

まさしく精神を養う良書中の良書と言える。これが10代とか20代だったら分からなかっただろう。あるいは人生に対して迷ってなくて、今が楽しきゃそれで良いみたいな人には良さが分からないだろう。

しかし私のように、今後の人生をどう生きたいか?と悩んでいた人には光を照らす一冊となった。

本を読むということは生きるということ

我々は思考するとき感性と知識という道具が必要である。感性は思いで、知識は考える材料だ。

その知識は言葉の塊であり、その言葉の最小単位を語彙とするならば、語彙が増えない人というのは、何一つ精神的な食べ物をとってない人であろうといえる。

しかし、そうはいっても本は食べ物と違って読まなくても死なない。

食べ物を1食でも抜かせば腹が減り、1日でも抜かせば気力がなくなってしまい、ずっと食べなきゃ餓死する恐れがあるが、本はそういったことがない。

だから読まなくても死ぬことはないし、十分に生活することはできるだろうから、その点では食べ物とは違う性質があるといえる。

しかし、果たしてそれは本当に生きていると言えるだろうか?

人生に対して目的も目標もなく、ただ毎日が食って寝て垂れて遊んで、生きるため仕方なく働いて気がつけば年寄りになって病気で死んだ…という人生が果たして本当に生きていると言えるだろうか?

ただそれは呼吸してるとか肉体が動いているというだけじゃないだろうか?真に生命を活かし魂が生きていると言えるだろうか?

ただ人生を消費して空費して気がつけば年をとって死ぬ。それは、その他動物と何が違うと言えるだろうか?

つまり本を読まない人は人生を活かし切れない可能性があるのだ。(もちろん本は知識を得るための手段であり、その他にも人とあったり、ブログを読んだり、セミナーに出たりすることなどもいいだろう。)

永遠の生命

森信三という偉大な教育者。彼が抱いた大志は私の胸の中で生き続けている。彼の肉体は朽ちて死んだが、彼の大志(精神、魂)は死んでなどいない。

彼の大志が誰にも忘れ去らない限り、永遠に人々の間で生き続けている。永遠の命を手にしたのだ。彼は死にながらにして、今も生きている。

ワンピースのドクターヒルルクという人がこう言ってた。

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これは本当にそのとおりだ。人の死というのは肉体が死んだときじゃない。それは単に物体物質が機能しなくなったというのだ。

人が本当に死ぬとき、それは存在が忘れられたときだ。そういう意味で森信三という人間は、肉体の死後も永遠に魂は生き続けていることになる。

 

最後に、彼の言葉で締めくくりたいと思う。

 

諸君!! この人生は二度とないのです。いかに泣いても喚いても、その我々の肉体がひとたび崩壊したならば、二度とこれを繰り返すことはできないのです。したがってこの肉体の生きている間に、不滅な精神を確立した人だけが、この肉の体の朽ち去ったあとにも、その精神はなお永遠に生きて、多くの人々の心に火を点ずることができるでしょう。学年のはじめにあたって私は諸君らがまずこの根本の一点に向って、深く心を致されんことを切望してやまないしだいです

諸君!! 国のために自己の一切を捧げるということは、決して容易のことでないことを知らねばなりません。国家といい、民族というのは、単なる言葉ではありません。否、それどころか実に我が命の根源であって、お互いに自己の生命の底に徹する時、初めてそこに開かれてくるのでない限り、わが生命の真の根源としての国家民族ではありません。

諸君!! 言挙げすることは、いともたやすいことですが、しかし真にわが生命の根源を把握することは、決して容易なことではありません。けだし真に生命を捉えるには、自らの生命に徹する外ないからであります。否、わが生命の根源に触れんがためには、その一分身としての私達は、文字通り自らの生命を捧げなければならないでありましょう。

諸君!! 古来言葉をたやすくするものは、多くはこれ自らの生命に忠実なる者ではありません。想えば諸君らに対する私の、過去一年間の講話も、畢竟するにまたこの「言挙げ」の域を脱し得ないものと言うべきでもありましょう。今や別れに臨んで私は、過去一年間にわたる自らの「言挙げ」に終末を告げると共に、私自身自らの生命の一道に、立ち返らなくてはならぬことを思うしだいであります。

 

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